けんじぇるのてくてくスローライフ

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【書評】読めない本が人生の一冊となる | 見えない涙(若松英輔著)

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こんばんは。

 

お久しぶりでした。

けんじぇるです。

 

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ときたま、ふと思いたったように読む本があります。

 

その本はなんだか夜に向いているような気がして、夜ひらいてはとじて、また開いてを繰り返しています。

 

若松英輔さんの『見えない涙』(亜紀書房)を読みました。

 

 

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若松さんの言葉はいつも沁みわたり、心を癒してくれるものです。

 

僕が今悲しい気持ちというわけではないけれど、なんだか読んで伝えたくなったので紹介することにしました。

 

きっと読むべきひとがいるんだと信じて。

 

薬草商を営むかたわらで、東日本大震災を機に執筆活動を始めた彼の著作には、今まで読んできた本とは違う空気を感じました。

 

今回は初の詩集。

 

若松さんらしい優しく、沁みる言葉の数々が残されています。

 

特にその中で開いた目についた「読めない本」という詩を乗せたいと思います。

 

手にとっとはいいけど、読めない本というのはあります。なんでだろうと考えても、よくわからないし、じゃあ読んでみようかと開いてみても一向に先には進まない。

 

そんな本があります。でもそれは決して悪いことではないと思うんですよ。必要な時はやってきますから。

 

さて、では感じてみてください。「読めない本」。

 

  読めない本

心を寄せるからこそ

なかなか

声をかけられない人がいるように

つながりを深く感じるから

容易に

手にとることができない

そんな本があってよい

 

言葉を交わすまえに

縁(えにし)を感じる人がいるように

読むまえに

自分を変える出会いだと

確信させる

書物があったとして

何の不思議があるだろう

 

強く思う人の

ふとした振る舞いにも

何かを感じるように

その本の佇まいから

たった一つの言葉からでも

尽きることない意味を

くみとることができる

 

ようやく出会った

運命の人をまえに

はじめて 声を発するときのように

ページをめくるのが

ためらわれる

人生の一冊を

探せ

 

見えない涙 P42~44

 

 

もしあなたが今日、なんだか眠れないようだったらそんな運命の一冊が見つかる、そんな時かもしれない。

 

手元の本をみてみて、そこになければこの本をどうぞ。

 

僕はこの人の本を読んで、文字通り”人生の一冊”を見つけたのだ。

 

✴︎「眠れなくなったあなたへ」は不定期に更新しています

 

<見えない涙>

 

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