けんじぇるのてくてくスローライフ

好きな読書をして、幸せに、豊かに暮らしていこう。20代の僕が暮らしを考えなおすブログ。

【書評】何を信じたらいいかわからないあなたへ。今こそ読むべき本はこれだ。 | 学問のすすめ(斎藤 孝訳)

スポンサーリンク

こんばんは。

 

けんじぇるです。

 

f:id:k-enj-i0122:20170512153504j:image 

 

この不安定な世の中で、右も左もわからない、何を信じたらいいかわからない人は、案外多いんじゃないかなと思います。

 

日本人は特定の宗教を信じることもないので、余計にそう感じるでしょう。でもそんな世の中だからこそ、助けてくれる本はきっとあります。

 

今回は、誰もが知っている「学問のすすめ」について紹介します。

 

 

知っているようで知らない「学問のすすめ」

 

みなさんの誰もが知っている「学問のすすめ」。”天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず”という言葉は聞いたことがあるはず、でもそれ以外に知っていることはあるでしょうか。

 

そう。教科書で言葉だけ、聞き覚えはあるんだけど、実際に読んでいたわけではないから、何が書かれているかを知っている人は少ないんですね。

 

福澤諭吉といえば慶應義塾の創始者だったのだから、慶応生なら読んでいるか。いや、そういうわけでもないのです。ほとんどの人が読んでいない。

 

実際、この本を訳した斎藤 孝さんが教授を務める明治大学の学生に聞いたところ、数百人に聞いて読んだと答えた人は1人もいなかったそうです。

 

これだけ有名なのに、読まれていない”学問のすすめ”。それでは、この本はもう読む価値がないのかというとそんなことはありません。

 

今の時代にも大切したいことが詰まっています。それを少しだけ、3つ紹介します。

 

”天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず”とは何なのか

 この言葉、広まっているだけのこともありちゃんとした意味があります。

 

天が人を生み出すにあたっては、人は同じ権利を持ち、生まれによる身分の上下はなく、万物の霊長たる人としての身体と心を働かせて、この世界の色々なものを利用し、衣食住の必要を満たし、自由自在に、また互いに人の邪魔をしないで、それぞれが安楽にこの世をすごしていけるようにしてくれているということだ。

学問のすすめ P9 

 

もともと、身分も貧富の違いもなく、自由に生きていくもんなんだよと教えてくれています。

 

でも実際は賢い人も愚かな人も、貧しい人も金持ちの人もいます。その違いはなんなのかというと、”学問の力”があるかないかなんですね。

 

ではその学問とはいったいなんなのか。

 

学問とは何なのか

これが問題なんです。

 

みんな学問といったら、数学なのか、国語か英語か、社会か。学校の勉強=学問であると勘違いしています。でもそうではないんですよ。もちろん大事だけど、この本で取り上げれられるものはもっと実用的なものです。

 

学問というのは、難しい字を知って、わかりにくい昔の文章を読み、また和歌を楽しみ、詩を作る、といったような世の中での実用性のない学問をいっているのではない。(中略)一生懸命にやるべきは、普通の生活に役に立つ実学である。

学問のすすめ P11

 

だからこそ、誰にでも必要なものだと思うし、読んでほしいです。

 

自由とわがままは違う

学問のすすめを読めば、生まれた時から人に上も下もなく、自由であるということを十分に知ることができると思います。ただ、自由とは解き放たれていて何でもしてもいいということではありません。最近は働き方の自由とか”自由という言葉が先走っているけど、自由ばかり先行して大事なことが抜けている気がします。

そんなこともちゃんと教えてくれます。

 

学問をするには、なすべきことを知ることが大事である。人が生まれたときは、何にも繋がれず縛られず、一人前の男は男、女は女として、自由であるけれども、ただ自由とだけいって「義務」を知らなければ、わがまま放題になってしまう。その義務とは、天の道理に基づいて人の情に逆らわず、他人の害となることをしないで自分個人の自由を獲得することだ。

学問のすすめ P13

 

さぁ。手に取ってみよう。

ここで紹介した部分は、本のほんのほーんの一部にすぎません。

 

本当に、取り上げたいところはたくさんあるし、読めば読むほど、学びがあり大切にしたいことが書かれてます。

 

人生の教科書となるこの本は、学生でも社会人でも、何かここから進もうとしているのに、何を信じたらいいかわからない人はこれを一度読んでみてください。

 

紹介したちくま文庫の「学問のすすめ」は現代語訳の中でもおすすめです。

 

 

・・・ ・・・